近年、高齢化に伴い遺品整理を行う人が増えてきています。
そんな中、日本ドラマでも遺品整理を題材にした作品が増えていて、遺品整理業が注目されてきていますよね。
ドラマとして放送されている内容は、実際の遺品整理作業の現場でも行われているのでしょうか?
本記事では、遺品整理を題材にしたドラマをプロの視点から解説していきます。
目次
遺品整理士ってどんな仕事?
まず、遺品整理士とはどんな仕事なのかを、みなさんはご存じでしょうか?
簡単に言うと、『遺族の代わりに遺品整理作業を代行する仕事』です。
亡くなった故人が使っていた物は、誰かが整理して片付けなければなりません。
本来、故人の遺品は遺族が整理を行うものですが、遠方に住んでいたり中々時間が取れないことから、遺品整理を業者へと依頼する方が増えてきています。
時代の変化と共に、遺品整理の方法が少しづつ変わってきているということですね。
しかし、遺品整理作業というものは、単なる遺品処理ではありません。
亡くなった故人の遺志や背景を読み取りながら、遺品整理を通じてご遺族が心の整理をするお手伝いをしていくことが遺品整理士の役割です。
また、正しい法規制を理解した上で、適切に遺品を扱うスキルも必要なのです。
とはいえ、遺品整理士も人間ですから、作業中に故人が亡くなった背景を想像していると辛くなってしまうことも。
作業後にご遺族様から感謝されるやりがいもあれば、そういった面も踏まえて、決して簡単な仕事ではないと言えるでしょう。
遺品整理を題材にした日本のドラマ
最近話題になっている遺品整理業ですが、ドラマや映画の題材とされることが増えてきました。
その影響もあり、いま注目されてきている業界が遺品整理業です。
遺品整理を題材にしている日本ドラマは、主に下記の通りです。
ドラマ名 | 放送局 | 放送日 |
---|---|---|
遺品の声を聴く男 | テレビ朝日 | 2009~2014年 |
遺品整理人 谷崎藍子 | TBSテレビ | 2010~2015年 |
遺品整理屋は見た!~天国へのお引越しのお手伝い~ | フジテレビ | 2011年 |
星降る夜に | テレビ朝日 | 2023年 |
こうしてみると作品数が少ないな、と思う方もいるかもしれませんね(笑)
実は、遺品整理業を専門会社として初めて設立されたのは、2002年(平成14年)なんです。
キーパーズ有限会社という企業が日本で初めて遺品整理専門業者を始めました。
遺品整理専門業者ができてから7年後に、ドラマ『遺品の声を聴く男』が放送されたことによって、遺品整士というものが注目されることに。
つまり、それまでは一般の方にはあまり馴染みがない業種だった、ということです。
現在では少しずつ知られてきているとはいえ、私たち遺品整理士から見ると、「こんなにドラマ化されてるなんて!!」と感慨深いものです^^
遺品整理ドラマを観て感じたこと
ドラマだけでなく、映画においても題材とされることが多くなった遺品整理業。
遺品整理士として作業のご依頼を受け、実際に遺品整理を行う筆者が、ドラマを観て感じたことをいくつかお伝えしようと思います。
1. ドラマ内での遺品整理作業の内容について
どのドラマも、遺品整理・生前整理をメインの題材として制作されています。
中には孤独死現場での遺品整理に焦点を当てた作品もありました。
ドラマ内で行われている遺品整理作業の内容について、結論を申し上げると、、、
半分正しくて、半分違う。
といったところでしょうか^^;
まず、故人の遺品整理は敬意と供養の気持ちを込めて丁寧に行う、というところはその通りです。
しかし、実際の遺品整理では、故人に関する事や遺族様の内情に関してまで深く掘り下げることは、まずありません。
というのも、いくら亡くなった方だとはいえ、プライバシーに関することは守るべきだと考えております。
仕分け作業を進めていくにあたって、遺族様から探して欲しいと伝えられている品以外にも必要な遺品はないか。
など、感じて考えながら作業を行っています。
その過程で隅々まで仕分け作業を行っていきますが、例えば日記や手紙の内容などを読むことはしていません。
ドラマ内ではそういったシーンもあれば、故人の住んでいた町へ行って調べたり、遺品を渡したりしていましたね。
ただ、ドラマ制作上は見どころのためにも、そういった要素を入れていく必要があるのだろうなぁという風には感じられました。
実際、筆者もかなりドラマを見入っていました(笑)
私たち遺品整理士からすると、題材にしてもらったことだけでも大変感謝しています。
遺品整理というものが世の中に浸透していくことで、遠いところの話ではなく身近で起こりうるものなんだ、ということが少しでもみなさんに伝わればいいなと思っております。
2. 作業中に着用しているものについて
ドラマ内では、すべての作業を遺品整理として取り上げられていたものがほとんどでした。
しかし単に遺品整理と言っても、それぞれの背景によって作業の内容や準備するものが異なります。
遺品整理のパターンとしては、主に下記の3つでしょう。
・故人が1人で住んでいた部屋の遺品整理
・家族で住んでいた、もしくは今後故人宅へ移り住む予定の遺品整理
・特殊清掃が必要な場合の遺品整理
作業内容についてはそれぞれ異なりますが、一つだけ共通しているものがあります。
それは、【 作業中はマスク・手袋は必須 】だという点です!
故人の遺品は丁寧に扱い、ご遺族様にお返しするものだという視点から観ても、上記のものは着用するべきですね。
そして、遺品整理は必ずしも安全な作業であるとは限りません。
長年住んでいたお家であればホコリや虫がいる可能性がありますし、家具を搬出するのであればケガをする危険もあります。
衛生面でもマスクを、怪我の防止に手袋・長袖シャツの着用を!
ご自身で遺品整理をされる予定がある方は、身を守るために必ず着用するようにしてください。
また、孤独死や自殺・殺人が起きた現場であれば、何の装備もなしに入室してはいけません。
特殊清掃が終わった後の遺品整理とはいえ、室内中には遺体が腐敗した際に発生する様々な菌が付着しています。
もちろん、遺品にも付着しています。
このような現場で遺品整理を行うのであれば、マスク・手袋の他にも防護服を着用しておく必要があるのです。
清掃時にその業者が消毒作業までを行っているのであれば、表面上は除菌されているでしょう。
ただ、安全面を考慮するならば着用必須ですね。
※関連記事
・孤独死した故人の遺品整理はどうしたらいい?特殊清掃の流れと事例紹介
・『遺品整理と特殊清掃』それぞれの特徴と違いについて解説
ドラマ内の服装を見て感想を申し上げるのならば、『 実際にはもっと重装備で作業している 』というところでしょうか^^;
そして、こちらもまた役者さんのお顔が見えなくなるので、ドラマの脚本上は致し方ないと思っております!
どのドラマも非常に素晴らしく、感動する作品ばかりでした(*^^*)
遺品整理士は実際にどんな作業をするの?
では、遺品整理士がご遺族様や依頼者様からご依頼を受け、実際にどんな作業をしていくのか。
ご依頼内容によっては多少左右することもありますが、基本的な作業内容と手順をご紹介していきます!
①お見積り
お客様から業者へお問合せのご連絡をいただいた後、実際に現地へとお見積りにお伺いします。
故人様が住まれていた室内にはどれくらいのご遺品があるのか、またはどんな作業が必要なのかどうかなど、現状確認を行います。
現状確認で把握した情報をもとに、御見積書を作成してご提出させていただきます。
お見積り時は特に、ご依頼者様とお話できる時間が長いと思います。
クリーンメイトでは、ご依頼者様がどんな風に遺品整理を進めていきたいか、などのご希望をまずお伺いしています。
私たちはご遺族様の代わりに遺品整理を行う仕事です。
必要な作業や不要な作業があればお伝えし、なるべくご遺族様の負担を軽減することが大切です。
それらを踏まえて、ご遺族様が希望される遺品整理が行えるよう、オーダーメイドな遺品整理を目指しています。
※遺品整理の費用について知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
関連記事
・遺品整理の料金表|大阪・関西の遺品整理業者クリーンメイト
・遺品整理の費用っていくらかかった?みんなの疑問をまとめて解説
・遺品整理の費用を知ろう!業者の料金相場と費用を抑えるポイントを紹介
②作業当日
作業を正式にご依頼いただき、作業日の日程調整を行います。
この時にご依頼者様とお話しさせていただき、探して欲しいご遺品や、そのまま触らずに置いておいて欲しいものなどの有無を確認します。
作業日当日にはもう一度確認したり、ご依頼者様が立会いをされる場合には、作業中にもお伺いしていきます。
・仕分け、梱包作業
作業が始まり、故人のご遺品を仕分けていく作業を行っていきます。
『残すもの』『貴重品』『処分するもの』というように分けながら作業を進めていきます。
仕分け作業を行っていると、故人様がどんな人だったのか、なにが好きだったのかがおのずと分かってくるものです。
ご依頼者様でも知らなかった故人の趣味などがあった場合は、
「こんなに好きだったとは全然知らなかった!!」
と驚くご遺族様もいらっしゃいますよ^^
中には趣味に関するものだけではなく、通帳や土地に関する書類などの貴重品も発見されます。
貴重品に関するご遺品は相続にも関係するため、特に取り扱いに注意が必要でしょう。
※関連記事
・自分で遺品整理を始める前に知っておきたいこと9選
・遺品整理中に現金が見つかったら?トラブル対策とよくある隠し場所について解説
・故人の死後に必要な手続きとは?相続や遺品整理との関係性についても解説
・搬出作業~処分
仕分け・梱包したご遺品は、ご遺族様へお渡しするものと、処分するもので行方が異なります。
家庭から排出される処分品は家庭系一般廃棄物となりますので、各市町村から家庭系一般廃棄物収集運搬許可を得ている業者が運搬していきます。
クリーンメイトでは、処分品であってもまだ使えそうなものは海外へリユースし、新たな命を宿して大切なご遺品を受け継いでいくお手伝いをしています。
※関連記事
・遺品整理の注意点と理由【捨てるべきでない遺品と処分方法の解説】
・『遺品』と『遺留品』って何が違うの?それぞれの違いと処分時の注意点を解説
③作業後のアフターケア
作業が完了すると、ご依頼者様へご報告してお部屋の最終確認をおこなっていただきます。
最後には、遺品整理作業中に発見された貴重品や、残して欲しいと希望されていた品を保管していた物をお渡しいたします。
作業後のお部屋を見た多くのご依頼者様からは、「ここまでしてくれてありがとう」と感謝のお言葉をいただきます。
悲しい気持ちもありながら、故人様との最後のお別れをする。
少しすっきりしたような笑顔が見られるこの瞬間が、私たちの一番のやりがいかもしれません^^
また、作業後には今後の注意点や必要であれば相続や土地に関するアドバイスもさせていただいております。
基本的な遺品整理の作業内容・手順は以上の通りです。
詳しい詳細は下記の記事をご参照くださいませ。
※関連記事
・プロが解説!おすすめな遺品整理の進め方と注意点とは
・遺品整理と不用品回収の違いを解説!専門家が教える整理のポイント
まとめ:難しいと感じたら遺品整理は業者へ依頼しよう!
ここまで、本記事では遺品整理を題材にした日本ドラマをプロ視点で解説し、実際の作業内容についてをお話してきました。
・遺品整理士とは『ご遺族に代わって遺品整理作業を代行する』仕事
・ドラマや映画でも遺品整理を題材にした作品は増えてきている
・プロ視点からドラマを観た感想
・実際の遺品整理作業の内容や手順
ドラマや映画をきっかけに、遺品整理という仕事をたくさんの方に知ってもらえたら嬉しいです。
また、実際の作業では体力的・精神的につらくなることもあるでしょう。
そんな時には無理をせず、遺品整理士へと相談してくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
クリーンメイトは2,000件以上の実績を誇りながらも、やり直し・クレーム等は現在まで一度もありません。
作業にあたるスタッフは、経験豊富で正しい知識を持つスタッフばかり。
大阪・関西エリア一円で遺品整理、特殊清掃、生前整理およびリサイクル品回収・買取、ゴミ屋敷片付け、法人向けサービスなども行っています。
また、関東・東海エリアやその他エリアにも対応可能です。
生前整理・遺品整理から特殊清掃まで、幅広いサービスとアフターケアを提供しておりますので安心して作業をご依頼していただくことができます。
私たちクリーンメイトでは、長年の経験から遺品整理に関する知識を持ち、遺品整理士協会から認定をいただいている企業ですので、お悩みの方は一度ご相談ください。
24時間年中無休対応(相談・お見積り無料)となっております。
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