2024年8月3日(土曜日)

空き家の掃除は早めにした方がいい?!放置すると起こるリスクや掃除の方法を紹介

空き家の掃除は早めにした方がいい?!放置すると起こるリスクや掃除の方法を紹介



相続した実家や所有している建物が空き家になっていて、早く掃除した方がいいけどなかなか手が付けられない…。

と空き家を放置していると、実は様々なリスクが生じてしまうんです。

本記事では、空き家を放置していると起こるリスクや、掃除の方法から業者の詳細までをまとめてご紹介していきます。



空き家を放置すると起こるリスク


誰も住まなくなり空き家になった建物は、年々増加傾向にあります。

総務省の調査結果によると、空き家の数は1993年から昨年2023年度までの30年間で約2倍となっています。



総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果より参照


誰も住んでいない家は急速に劣化が進み、次第に様々なリスクが発生する恐れがあるのです。

起こり得るリスクには、下記のようなものが挙げられます。

・崩壊する危険がある
・火災の発生もしくは放火
・不法投棄される
・不審者や犯罪者に悪用される
・特定空き家に指定される


それぞれの詳細について見ていきましょう。



リスクその① 倒壊する危険がある

リスクその① 崩壊する危険がある



空き家を掃除せずに放置していると、建物が倒壊してしまう恐れがあります


掃除や修繕などの手入れをされなくなった空き家は、どんどん老朽化が進んでいきます。

建材が腐食したり、地盤のゆるみから耐えられなくなった場合、建物が崩れる危険があるのです。


もし災害が起こったら、このように老朽化が進んだ空き家はどうなるでしょうか?

地震が起きれば瞬く間に倒壊し、台風がくれば瓦など空き家の物が飛散してしまうかもしれません。

万が一にでも近隣に住む人に被害が出てしまったら…。


と考えると、空き家は放置せずにできるだけ早く掃除するのがおすすめです。

老朽化や災害が起こって倒壊する前に、空き家の掃除を行っておきましょう。


リスクその② 火災の発生もしくは放火

リスクその② 火災の発生もしくは放火



空き家を掃除せずに放置していると、火災が発生したり放火されるリスクが高まります


空き家内に家財がまだ残っていた場合、何らかの原因によって火災が発生することがあります。

また、誰も住んでいないことが分かった放火犯が空き家をターゲットにしたケースもあるほど。

残っている家財の量が多くいわゆるゴミ屋敷状態になっていた場合、火が回るスピードが速くなってしまうでしょう。

もし近隣の家屋が密集している地域でならば、大規模な火災に繋がる恐れもあります。


このような原因から、空き家を掃除せずに放置しているのはとても危険なのです。


リスクその③ 不法投棄される

リスクその③ 不法投棄される



空き家を掃除せずに放置していると、不法投棄をされる危険があります


長い間誰も住んでいない空き家には、いらなくなった不用品を捨てていく人が出てきます。

本来、人が住んでいれば異変にすぐに気が付くのですが、空き家の場合は塀や木が遮って外から確認しづらくなるものです。

悲しいことですが、誰かが捨てると次から次へと不用品を捨てる人が出てきます

捨てられた不用品が増え続けると、あっという間にゴミ屋敷のような状態へと変わってしまうでしょう。

この状態のままにしておけば近隣住民へ迷惑が掛かってしまうかもしれません。


空き家を掃除せずに放置していると、不法投棄をされる可能性が高くなりますので、早めに対処しておくべきだと言えるでしょう。


リスクその④ 不審者や犯罪者に悪用される

リスクその④ 不審者や犯罪者に悪用される



空き家を掃除せずに放置していると、不審者や犯罪者に悪用されてしまう危険があります


誰も住んでいない、もしくは長い間誰も出入りしていないと気づいた空き家は、不審者や犯罪者から目を付けられやすくなります。

たとえ鍵を閉めて戸締りをしていたとしても、関係なく侵入してくるでしょう。

空き家に侵入した不審者が勝手に住み着いていた、というケースもあるほど。


また、人目が付きにくい空き家は、犯罪者の拠点として利用される場合もあります。

このように犯罪に使用されるリスクが高くなりますので、空き家の放置はとても危険なのです。


リスクその⑤ 特定空き家に指定される

リスクその⑤ 特定空き家に指定される



空き家を掃除せずに放置していると、特定空き家として指定される可能性が高くなります


特定空き家とは、近隣に影響を及ぼす可能性が高く、早急な対処が必要な空き家のことを指します

もう少し詳しくご説明すると、空き家の中でも以下のような条件に当てはまる状態だとお考えください。


☑ 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
☑ 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
☑ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
☑ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空き家として指定されると何が変わるのかというと、固定資産税が高額になってしまうのです。

住宅用の特例措置が適応される場合と比べると、およそ6倍ほどの差が出てくるでしょう。

空き家を放置すればするほど倒壊などのリスクだけでなく、固定資産税の増額などの大きな損失にも繋がりかねません。


空き家を掃除せずに放置を続けると、いずれ特定空き家に指定されるリスクがあると、覚えておきましょう。



空き家を掃除するにはどんな作業が必要?


空き家を掃除するにはどんな作業が必要?


空き家を放置しないためにも早急に掃除を始めなければなりませんが、具体的にはどのような作業が必要なのでしょうか?

ここでは、空き家の掃除に必要な作業についてご紹介していきます


・害虫もしくは害獣駆除




長い間誰も住んでいなかった空き家には、害虫が発生したり害獣が住み着いている確率が非常に高いです。

※主にゴキブリ・シロアリ・蜘蛛・ハチ・ネズミ・イタチ・ハクビシンなどが挙げられます。


人がいないということは駆除されることがないということなので、害虫・害獣にとっては安全な住みかとなるのです。

駆除せずそのままにしていると、次第に建物の柱や壁をかじって腐食させたり、糞などから感染症がばら撒かれる恐れも。

近隣への被害が広がる可能性がありますので、空き家を掃除する際には必ず駆除作業を行うことを想定しておきましょう。


駆除するには主に3つの方法が挙げられます。

・忌避剤を使って追い出す方法
・捕獲する方法
・害虫、害獣駆除業者へ依頼する方法


上から2つの方法は自身で行うやり方で、駆除作業は自分たちで行うことも可能です。

しかしながら、作業には感染症やアレルギーの可能性など様々な危険が生じます。

なので、安全のためにもできれば専門の業者へ依頼することをおすすめいたします


・部屋の換気や通風をおこなう




空き家の掃除にはお部屋の換気・通風が欠かせません

長い間窓や扉を閉め切っている様態なので、新鮮な空気が入らず湿気やほこりなどが溜まってしまいます。

一度換気をして空気を入れ替えてから、掃除を始めるようにしましょう。


また、掃除の際に空気の入れ替えを行うなら、対角線上の窓を開けておくと効率よく換気ができますよ。


・キッチン、洗面所、トイレなどの通水




排水管に水が溜まったままになっていると、だんだん下水の臭いが上がってきます。

そのため、新しい水を流して排水管内を通水しておく必要があるのです。

長年水を流していない状態が続くと、蛇口がさび付いてしまう可能性もあるので、注意が必要です。


通水する際は、1分間程度は水を流しっぱなしにしておきましょう。


・水廻りの清掃




キッチン・浴室・脱衣所などの水廻りは、カビが発生しやすい場所です。

換気されていない状態の空き家はカビの繁殖が進みやすく、きれいに清掃しておかないと健康への被害が出る恐れがあります。

湿気・温度・汚れの条件が揃うと、カビの繁殖が一気に広がっていくでしょう。


カビは徹底的に除去しておかないとすぐに再発する恐れがあるので、薬剤などを使って念入りに清掃しておくと良いでしょう。


・壁や床の清掃



長年人が住んでいない状態が続くと、空き家にはたくさんのホコリが溜まっていきます。

床や隙間だけでなく、壁にもホコリが付着していることでしょう。

空き家の掃除を行った際には、床を雑巾などで拭き掃除したり、壁のホコリははたきなどを使ってみてくださいね。


・電気、水道、ガスなどの設備点検




空き家の掃除を行う際は、電気・ガス・水道などの設備点検が必要です。

掃除中に必要だからということもありますが、ライフラインが整っていないと生活できる環境が整いません。

空き家を掃除して手入れするにしても、売却するにしても、どちらにせよ点検しておくと安心です。


問題なく使える状態なのかどうか、点検もおこなっておきましょう


・郵便物の確認(回収もしくは処分)




空き家の掃除を行う際には、郵便物が届いているかどうかポストをチェックしておきましょう


チラシなどがポストから溢れている状態だと、「ここは空き家になっているな」ということが周囲の人が分かってしまいます。

近隣の方だけでなく、不審者や犯罪者の目にも止まりやすいので、郵便物が溜まったままだと犯罪や放火などのリスクが高くなります。


直近で届いている物や重要なものは回収して、いらないものは処分しておくようにしましょう。



空き家の掃除(お手入れ)をする頻度


空き家の掃除(お手入れ)をする頻度


空き家の掃除を行うのに理想的な頻度は、最低でも月に1度ぐらいが目安となるでしょう。


掃除をせずに放置している状態が長ければ、一回の掃除にかかる時間や労力が掛かって大変です。

しかし、月に一度ほど手入れをしていれば、毎回掃除するときの負担が軽減されます

定期的に管理を行うことで建物の状態が分かるようになりますし、防犯の効果も得られるでしょう。


とはいえ、毎日の生活を送るうえで空き家掃除に時間を作ることは、そう簡単なことではないかもしれません。

家族や知人に協力してもらって順番に手入れをしに行く方もいらっしゃいますが、業者のサービスを利用する方法もあります。

業者に依頼すると費用はかかってしまいますが、その分時間と労力が掛からず管理する人の負担が軽減されるでしょう。


次の項目では、空き家の掃除を業者に依頼するのがおすすめな理由を解説していきます。



空き家掃除をプロに任せるのがおすすめな理由


空き家掃除をプロに任せるのがおすすめな理由


空き家の掃除を自分たちでやるのは、思っている以上に負担が掛かるものです。

業者に空き家掃除を依頼することをおすすめする理由には、以下のようなものがあります。


時間や労力がかからない
害虫などの駆除もやってくれる
部屋の片付けからゴミの処分なども任せられる
消臭作業も依頼できる


やはり時間や労力がかからないことが、業者に依頼することをおすすめする一番の理由として挙げられます。

その他にも、自分たちで空き家の掃除をおこなうリスクを回避できるというところも、大きなメリットだと言えるでしょう。


また、空き家の室内に不用品が多く残っている場合、ある程度片付けなければ掃除がしづらくなります。

片付けや不用品の処分もまた、自分でやるとかなり大変な作業なのです…。


※詳しい詳細は下記の記事を参考になさってくださいね

関連記事
家財の処分は業者に依頼しよう!家財道具の処分にかかる費用や業者への依頼方法を解説

業者に家財の片付けを依頼するとどこまでやってくれる?家財整理業者が行う作業内容




そして、長年空き家となっているお家は、様々な原因から異臭を放っている場合があります。

そうなると消臭を行わなければなりませんが、強烈な臭いは一般的な消臭剤では太刀打ちできません

臭気の度合いによっては自力で消臭することが難しいので、消臭も行っている専門業者に依頼して掃除してもらいましょう!


消臭作業に関する内容は下記の記事をご覧ください。

関連記事:特殊清掃で消すことができる臭いの種類|特殊清掃業者が行う臭気除去(消臭)について解説




空き家掃除を業者に依頼する場合の費用相場


空き家掃除を業者に依頼する場合の費用相場


空き家の掃除を業者に依頼するとかかる費用は、依頼するそれぞれの業者によって異なります

依頼できる業者に種類は大きく分けて以下の4つ。

ハウスクリーニング業者・ゴミ屋敷清掃業者・特殊清掃業者・遺品整理(家財整理)業者へ依頼することが可能です。


それぞれの費用相場については、下記の表をご覧ください。


業者の種類サービス内容費用相場
ハウスクリーニング
清掃がメイン

※汚れや臭いが強い場合は断られる可能性あり
目安の相場は15万円

・1K~3LDK 70,000~300,000円ほど
・4LDK以上(一軒家含む) 400,000円~ほど
ゴミ屋敷清掃業者
不用品の回収や処分がメイン目安の相場は3~70万円

・1K~3LDK 30,000~500,000円ほど
・4LDK以上(一軒家含む) 250,000~700,000円ほど
特殊清掃業者
汚れや臭いの除去・清掃がメイン目安の相場は8~15万円

・1K~3LDK 80,000~500,000円ほど
・4LDK以上(一軒家含む) 250,000~700,000円ほど
遺品整理(家財整理)業者
片付け(整理)がメイン目安の相場は8~20万円

・1K~3LDK 80,000~300,000円ほど
・4LDK以上(一軒家含む) 250,000~700,000円ほど

各業者の料金設定や、どのサービスを依頼するのかによって費用は変動します。

実際に正確な料金(費用)を知るためには、現地にて見積りを取ってもらう必要があるでしょう。


ですが、どの業者に依頼するべきか悩む方もいらっしゃるかと思います。

悩んだ時には、状況によってどの業者に依頼するのかを決めるのも一つの方法です。



ハウスクリーニング業者


空き家の室内に家財が無く、掃除のみ※が必要な場合におすすめ

※汚れや臭いのレベルが低度な状態

ゴミ屋敷清掃業者

空き家に不用品が多く残っている場合におすすめ

特殊清掃業者

家財が残っているだけでなく、強い汚れや臭いがある場合におすすめ

遺品整理(家財整理)業者

必要なものと不要なものを分けながら片付け・掃除したい場合におすすめ

それぞれの業者の得意分野を依頼したり、すべての作業を行ってくれる業者に依頼するなど。

業者選びに迷った時には上記の表を参考にしながら、自分たちに合う業者を選んでみてくださいね。



まとめ:空き家掃除はプロの業者に任せよう!


まとめ:空き家掃除はプロの業者に任せよう!


本記事では、空き家の掃除を放置すると起こるリスクや、整理の方法などについてをご紹介しました。


【内容まとめ】

・空き家を放置していると起こるリスクを5つ紹介
・空き家掃除で必要な作業を紹介
・空き家の掃除は月に一度ぐらいの頻度がおすすめ
・空き家掃除をプロに依頼するメリットを紹介
・業者に依頼するとかかる費用は各業者によって異なる


空き家を放置していると、さまざまなリスクが発生する可能性が高くなります。

長期間の放置は危険ですので、なるべく早くに掃除(手入れ)をしておくようにしましょう。


もし自分たちでは難しかったり、時間や労力が掛かって大変な場合は、業者へと相談してみてください。

なるべく管理する人たちの負担を減らす方法を取り、自分たちに合ったやり方で空き家掃除を始めてみてくださいね。


最後までご覧いただきありがとうございました。


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