2024年9月11日(水曜日)

遺品を処理する方法とは?処分時に注意するべきリスクと業者の選び方を紹介

遺品を処理する方法とは?処分時に注意するべきリスクと業者の選び方を紹介



亡くなった故人が遺した遺品をどう処理すればいいのか、お悩みなる方は多くいらっしゃいます。

業者に処分を依頼するとしても、遺品整理や不用品回収どちらの業者を選べばいいのかも迷ってしまいますよね。

そこで今回は、遺品を処理する方法と処分時の注意点のほか、業者の選び方についてをご紹介していきます。


遺品を処理するにはどうすればいい?


遺品を処理するにはどうすればいい?


整理した遺品の中でも不用品となる遺品は、どのように処理すればいいのか。

と悩まれる方が多いと思います。


不要な遺品を処理するには2つの方法があります。

・自分たちで処理する
・業者へと依頼する



まずは自分たちで処理する方法について。

家庭から出る処分品は家庭系一般廃棄物にあたりますので、各地区町村の分別方法に従って適切な方法で処理しなければなりません

分別方法については各市区町村のホームページなどで確認しましょう。

分別したら決まった曜日・時間に所定の場所まで運び、回収してもらう。

もしくはあらかじめ予約して回収に来てもらうかの2パターンがあります。

※自治体によって予約しての回収が不可な場合もあります。



自分たちで遺品を処理するメリットは、やはりお金がかからないことでしょう。

リサイクル品などに関しては料金が掛かりますが、費用を抑えながら処理することが可能です。

しかし、残しておきたい遺品や重要書類を見逃してしまい、不用品と一緒に処分してしまった

というケースがありますので、十分に注意して仕分けしなければなりません。

また、仕分けの問題だけでなく、指定の回収場所へ運ぶための時間や労力がかかってしまうことも、デメリットだと言えるでしょう。



もう一つの方法には、業者へ依頼する方法が挙げられます。

業者に遺品の処分を依頼すると、費用がかかるものの時間や労力を掛けずに処理できる、というところがメリットです。

業者に依頼する場合は、下記の2つの業者に依頼すると遺品を処理してくれます。

・不用品回収業者
・遺品整理業者

この2つの業者の違いについて、下記に解説していきます。


※ 遺品整理業者と不用品回収業者の違い



両者の違いは以下のような内容となります。

業者名サービス内容
不用品回収業者日常的に使用しなくなった不用品をまとめて処分する
遺品整理専門業者故人の遺品を仕分けて必要なものを残しながら不要なものだけを処分する

どちらの業者も遺品の回収を行いますが、目的が大きく異なります。

不用品回収業者の場合は、あくまでも不用品の回収がメインとなりますので、遺品はすべて処分することになります。

遺品を一括で処分してもらえるメリットはありますが、依頼前までにある程度自分たちで仕分けしておかないと、必要なものまで処分されてしまう恐れがあるでしょう。



逆に遺品整理では、まず遺品を仕分けして必要なものと不要なものを分別し、不要なものだけを処分していきます。

つまり、不用品回収業者と遺品整理業者の違いは必要なものを残しておけるかどうか、というところですね。

後悔しないように故人の遺品を整理しながら処理したい、と考えられている方は、遺品整理業者を選ぶことをおすすめいたします。



遺品を処理する前に知っておきたいこと


遺品を処理する前に知っておきたいこと


遺品の処理を業者に依頼する前に、いくつか注意しておいた方が良いことがあります。

知らないままに依頼してしまうと、後から後悔してしまうかもしれません。


遺品を処理する前に知っておきたいことは、以下のような内容です。

遺品をまとめて処理すると大切なものまで処分されてしまう恐れがある
価値があるものかがあっても処理されるとお金が手元に残らない
作業後に掃除をしてもらえないことが多い



上記に挙げたものは不用品回収業者に依頼した場合の注意点です

なので、3つすべてが特に気にならない人以外の方は、不用品回収業者を選ぶことをおすすめしません。


それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。


①大切なものまで処理される恐れがある



不用品回収の場合、遺品整理とは違い仕分け等の作業は行いません。

特に残しておきたい遺品がないのであれば、すべての遺品を処理(処分)してもらうことが可能です。

しかし、その場合は形見分けや相続時に遺族間で揉める原因となるケースが多いのです。


遺品整理は相続と大きく関係しています。

処分を決める前には必ず遺族(相続人)間で話し合うことが大切です。

また、思い出が残る品や価値がある品を残しておきたい場合は、自身で遺品を整理してから処分を依頼、もしくは遺品整理業者に依頼しましょう。



相続との関係性についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。

関連記事
遺品整理は相続人以外が行ってもいいの?|遺品整理作業において相続人以外が担う役割とその重要性について解説

故人の死後に必要な手続きや遺品整理が必要な理由とは?相続や故人の遺品整理との深い関係性についても解説


②価値のあるものが売れずに処理されてしまう



不用品回収の場合は価値があるものがあったとしても、すべての遺品が不用品としてまとめて処理されます。

もしその遺品が高額で売れる可能性がある品だったら…。

知らずに捨ててしまうのはあまりにももったいないですよね。


一見価値がないようなものに見えても、実は高額な値段が付くケースも少なくはありません。

以下のような品は高額になる可能性が高いので、ぜひ参考になさってくださいね。


○家具
○家電(基本的には製造から5年以内)
※場合により10年以上経過していても買い取ってもらえることもある
○アクセサリー
○時計
○着物
○お酒
○着物
○ゴルフ用品
○美術品や骨董品
○古銭

その他の買取が期待できる品一覧や、遺品整理業者が行う家財買取については、下記の記事にて際しく解説しております。

関連記事:家財整理を業者に依頼したら買取も可能って本当?|家財整理を始める前に知っておきたい買取のコツをご紹介



遺品整理業者へ作業を依頼した場合、買取まで行ってくれる業者は多くなってきています。

ただし、売買に必要な古物商許可証の有無などは、業者選びの際に必ずチェックしておきましょう。


③掃除までしてもらえないことが多い



処分することを目的としている不用品回収では、故人宅の掃除までやってもらえない場合がほとんどでしょう。

掃除(清掃)のサービスを提供している不用品回収業者はかなり少ないです。

例えば、故人がお部屋で亡くなっていて発見が遅れた孤独死の場合や、ゴミ屋敷のような状態になっていた場合には特殊清掃が必要となります。

通常の清掃では落とせない汚れを清掃するには専門的な知識と技術が不可欠。

不用品回収業者は特殊清掃に関する知識や技術がありませんので、清掃を断られたり十分なサービスが受けられないこともあるでしょう。


一方、遺品整理業者の中には特殊清掃が行える業者がいますので、遺品整理後の清掃まで安心して依頼できます。

清掃だけでなく消臭に関する作業も専門としていますので、悪臭を除去したい場合にも最適ですね。

なので、故人のお部屋の片付けから清掃まで任せたい方は、遺品整理と特殊清掃を兼業している業者を選ぶのがおすすめです。



残したいものがある人は遺品整理業者へ依頼


残したいものがある人は遺品整理業者へ依頼


ここまでは、遺品の処理方法と処分時に注意すべきことをお伝えしました。

結論を申し上げますと、不用品回収業者を選んでも問題がないのは、遺品を何も残さずにすべて処理したい人だけということです。

なので、故人の遺品の中で大切なものは残しておきたいという気持ちがあるのであれば、遺品整理業者へと依頼しましょう。


ここで、これまでのおさらいも兼ねて遺品整理業者が行う主なサービス内容を下記に挙げています。

・遺品の仕分け作業
・家財(遺品)の梱包作業
・家財(大きな家具や家電も含む)の搬出作業
・清掃作業
・ご遺品の供養
・不用品の処理



遺品整理業者と不用品回収業者の違いは、遺品の仕分け(分別)を行うかどうかという点です。

不用品だと思っているものの中には、故人が所有していた株券・証券・不動産登記簿謄本など、重要な書類が混じっていることも多々あります

ですので、重要なものがどこにあるのか分からなかったり、遺品の処分に不安を感じた場合には必ず遺品整理を行いましょう。


2つの業者の特徴を把握しつつ、業者選びは目的に応じて慎重に決定してくださいね。



遺品処理にかかる費用相場と業者の選び方


遺品処理にかかる費用相場と業者の選び方


では、遺品を処理するためにかかる費用についてお話していきます。

まずは不用品回収業者に依頼するケースの場合、回収する遺品の量に応じて金額が変更します

仕分けをして必要なものを何も残さずに処分するため、トラックなどの車両でいくらかかるかという料金表示をしているところが多いです。


不用品回収業者へ依頼する際にかかる費用の相場は下記の通りです。


遺品の量(使用する車両)目安の費用
軽トラック ※最大積載量350㎏15,000円~30,000円前後ほど
2tトラック ※最大積載量2t~2.9t25,000円~40,000円前後ほど

遺品量の目安としては、軽トラックを使用するのは主にお一人暮らし分(中でも荷物が少ない方)ほどだと思っていてください。

それより多い遺品量であれば、2tトラックを使用するのが一般的です。


遺品の量が多ければ多いほど、比例して使用する車両の数も多くなるという風に覚えておきましょう




  優良な業者の選び方 


不用品回収業者のサービスを利用する際には、慎重に業者を選ばなければなりません。

抑えるべきポイントとしては、下記のような内容です。

自社のホームページが存在する
本拠地が記載されている
実績が豊富なのかどうか
必要な許認可を持っている



不用品回収業者選びの際にはまず、本当に実在する業者なのかどうかを確認しておきましょう。

悪質な業者であれば、自社のホームページを持たず本拠地の住所が不明な場合が多いです。

自社の情報を明らかにしないということは、作業スキルに自信がないもしくは依頼者を騙そうとしている可能性が高いです。

このような業者の場合、作業に関してもいい加減な可能性がありますので、故人の遺品を違法投棄されるかもしれません。

実績の有無は提供するサービスの質に大きく関係するでしょう。



またもう一つ重要なのは、許可証を持っているのかどうかという点です。

不用品回収に必要な許可は、『一般廃棄物収集運搬業許可』です。

しかし、この許認可は自治体以外に新規での取得が難しい為、過半数以上の業者は持っていません。

ただし一般廃棄物収集運搬許可のある業者と連携する、もしくは産業廃棄物収集運搬業許可を持っている業者に限り対応自体は可能となります。


※回収した不用品は自社排出扱いとしてマニフェスト管理を厳格にし、適切な処理場で廃棄物を処分しているところが多いです。


業者選びの際の確認事項としては、以下の通りです。

一般廃棄物収集運搬業許可の有無(もしくは許可を持つ業者との連携の有無)
産業廃棄物収集運搬業許可の有無



ポイントを確認しながら、優良な業者を見極めて慎重に選びましょう。



遺品の処理に迷ったら遺品整理を検討しよう


遺品の処理に迷ったら遺品整理を検討しよう


遺品整理と不用品回収のどちらを選ぶべきなのかを少しでも悩んだら、後悔しないように遺品整理を選ぶことをおすすめいたします。

遺品整理を選ぶメリットには、以下のようなものが挙げられます。



・故人の物はたとえ不用品でも遺品として扱ってもらえる

・故人との思い出の品を残しておける

・遺品の供養から特殊清掃まで対応してくれる ※業者により異なる場合もある

・価値のある遺品は買取ってもらえる

・形見分けや相続がスムーズに進められるようになる


故人の意向を尊重しながら、遺族の気持ちに配慮して整理を進めてくれる点は、遺品整理業者を選ぶ一番のメリットだと言えるでしょう。

一つ一つ丁寧に仕分けしながら作業を進めていくので、遺族の気持ちが整理できていない時期でも、安心して任せられますね

立ち会いながらの作業も可能なので、実際に見ながら必要なものを分けたい方は、作業中の立会いを選ぶのがおすすめです。

また、遺品の仕分けを行うことで他の遺族が残して欲しい品が見つかる可能性が高いので、相続人同士でのトラブル防止にも繋がります。



では、遺品整理業者に依頼するとかかる費用の相場をご紹介していきます。


・遺品整理業者に依頼するとかかる費用相場




遺品整理業者の費用相場は、以下の通りです。


間取り目安の作業時間費用相場
1K・1R1~2時間20,000円~100,000円ほど
1DK1~2時間50,000円~120,000円ほど
1LDK2~3時間70,000円~150,000円ほど
2DK2~4時間100,000円~170,000円ほど
2LDK3~5時間120,000円~200,000円ほど
3DK4~6時間140,000円~250,000円ほど
3LDK4~6時間150,000円~300,000円ほど
4LDK~5~7時間170,000円~600,000円ほど
ゴミ屋敷・もの屋敷など1日~数日要見積り

※上記の表はあくまでも目安としてお考えください。


遺品整理業者に依頼するとかかる費用は、お部屋の間取り(主に家財量)によって変動します。

家財量が多ければ多いほど、その分作業時間が必要になってきます。

作業を行うスタッフの人数も増やさなければなりませんし、人件費なども費用に加算されます。

間取りが大きければ必然的に家財の量が増えることが多いので、費用の目安としては上記の表のようになります。


しかし、広いお部屋であっても家財量が少量であれば、費用が少なくなることも

逆に言えば1Kや1Rであっても高額になることもあるのです。

また、お片付け(家財整理)以外にも孤独死の場合など特殊清掃が必要な場合、そちらもまた金額が変動する要因となります。



そのため、正確な金額を知るためにもまずは現地で見積りを取ってもらいましょう

業者に見積りを取ってもらう際には、作業内容についての詳細を明確に教えてもらってください。

そうすることで、予想になかった追加料金などに悩まされることがなく、正確な情報を元に検討しやすくなります。


そして、買取が可能な業者であれば、作業代金から遺品の買取価格を差し引いてもらえることも。

買取サービスを利用することにより、少しでも費用を抑えながら作業を依頼することができるでしょう。



遺品整理の費用や料金を抑える方法を詳しく知りたい方は、良ければ下記の記事も併せてご覧ください。

関連記事
遺品整理の費用相場を知ろう!料金を安く抑えるポイントをご紹介

実家の片付けを業者に依頼するとかかる費用相場|上手く片付けを進めていく方法もご紹介



・優良な遺品整理業者の選び方




遺品整理業者の中でも、優良な業者を選ぶ際には以下のポイントを押さえておきましょう。

・問い合わせ(電話)時の対応はどうか
・見積もり時の対応や質問に対する受け答えはどうか
・サービス内容に関する説明は分かりやすいか
・担当はコミュニケーションが取りやすい人か


上記の内容に共通しているのは、ご遺族(依頼者)に対する対応が丁寧かどうかというところです。

対応が丁寧な業者は遺族の気持ちや故人の意向を汲み取り、遺品に関しても丁寧に扱ってくれる可能性が高いです。


また、依頼する際には残しておいて欲しいものなど、要望があれば事前に伝えておくことでより安心して作業を任せることができますね。

なるべく安いところに依頼したいと思う方は多いと思います。

しかし、親切で丁寧な対応をしてくれるかどうかというところもまた、業者選びの際には必要な情報となるでしょう。


信頼できる業者の中でもなるべく料金を抑えながら依頼したいという方は、業者の買取サービスを利用することをおすすめいたします。

関連記事:意外と知らない人が多い?!遺品整理での買取り方法|遺品整理と買取りの関係性について解説



料金だけを見て決めるのではなく、故人の大切な遺品を安心して扱ってもらえる業者を選んでくださいね。



まとめ


まとめ


本記事では、遺品を処理する方法や処分時に気を付けるべき注意点、そして優良な業者の選び方についてをご紹介しました。


【内容まとめ】

・遺品を処理するには自分でやる方法と業者に依頼する方法がある
・依頼する業者は遺品整理業者か不用品回収業者の2つ
・2つの業者の違いを解説
・遺品を処理する前に知っておくべき注意点を紹介
・残しておきたいものがある人は遺品整理業者へ依頼
・業者の費用相場と選び方をご紹介


すべての遺品を処分したい方は不用品回収を、大切な遺品を残しておきたい方は遺品整理を選択しましょう。

業者に依頼する際にはそれぞれの特徴やリスクを理解した上で、安心して任せられる業者へと依頼するようにしてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。


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