風呂場での孤独死は、日本の高齢化社会において深刻な社会問題となっています。特に冬場は、高齢者の入浴中事故や急な体調不良が多発します。
浴室は密室空間であるため、発見されるのも遅れることが多く、遺体の腐敗損傷が激しくなる傾向にあります。
本記事では、風呂場での孤独死の実態と特殊清掃の必要性、そして効果的な防止策について詳しく解説していきます。
目次
風呂場での孤独死の背景と原因
厚生労働省人口動態統計によると、令和3年の高齢者による浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750人で、これは交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍になるそうです。
なお、風呂場での孤独死が多発する原因は、高齢化と核家族化が増えたことにより、一人暮らしの高齢者が急増し、見守りの目が不足していることが背景にあると考えられています。
風呂場での孤独死の実態を詳しく知るために次の項目では、風呂場で起きる事故の具体例を紹介しましょう。
風呂場での事故 具体例
■ヒートショック
最も多いのがヒートショックです。
ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担をかける現象です。
特に冬場の入浴時に多く発生し、暖房のない寒い脱衣所から熱い浴槽に入る際に起こりやすくなります。
■熱中症による意識失調
熱中症で意識を失うことによる溺死は高齢者だけではなく若者にも起こります。長時間の入浴で体温が上昇し、意識を失って浴槽内で溺れてしまいます。
■転倒
比較的若い人に多いのは転倒事故です。滑りやすい浴室で頭部を強打したり、浴槽の縁で転倒して大けがを負ってしまいます。
■基礎疾患の急激な悪化
心疾患や高血圧などの基礎疾患を持つ人が、入浴時の身体的負荷により急変するケースも多く見られます。
特殊清掃の必要性とプロセス
風呂場で孤独死が起きてしまった場合、自分で対処することは到底おすすめできません。
必ず特殊清掃の専門業者に依頼しましょう。
なぜなら孤独死現場の清掃には、一般的な清掃では落としきれない特殊な汚れ(体液や血液など)や臭いの除去が必要だからです。
次の項目では業者に依頼すべき理由をさらに詳しく説明します。
自分でやるのはNG?業者に依頼しなければいけない理由
■感染のリスクがあるから
発見が遅れてしまったご遺体からは、感染菌が発生します。無知識のまま適切な防護装備なしに接触すると感染症のリスクが非常に高くなります。
■専門知識や専用の薬剤でないと対応できないから
死後時間が経過すると、体液が奥深くまで浸透し腐敗臭が全体に染み付きます。
この汚染は表面的な清拭では除去できません。臭気についても単なる換気や消臭剤で消すことはできません。
その他、ハエや害虫が大量発生していれば、これらの害虫駆除と、卵や幼虫の除去も行わなければなりません。
■精神的な負担・体力の消耗が大きいから
死亡現場の清掃は極めて大きな精神的苦痛を伴います。トラウマとなる可能性もあり、心理的健康への影響は深刻です。
また、特殊清掃作業は数日に及ぶこともある重労働です。素人が行う場合、さらに長期間を要し、かつ完全な清掃は困難でしょう。
特殊清掃の流れ <作業実例>
ここからは、弊社クリーンメイトにご依頼いただいたお客様の実例を使って、作業内容や流れをご紹介します。
料金等もぜひ参考にしてください。
叔母様が浴室内にて孤独死 <死後1か月経過>
作業箇所:浴室・脱衣所
作業人数:2人
作業時間:約72時間(臭気確認含む)
作業金額:85,000円(税込)
<施工内容>
特殊清掃
・消毒
・汚染箇所洗浄
・汚染物梱包
・脱臭作業
室内清掃
<状況>
・浴槽にて孤独死
・遺体発見時には死後1か月経過
<作業手順>
スタッフへの感染予防のため消毒作業からスタート
※浴室内のATP測定をおこない正常値に達したのを確認してから入ります
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浴室内の汚染箇所へ消毒液を噴霧し、汚染物を撤去
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浴室内の床やタイル壁を丁寧に洗浄、蛇口なども含め全面清掃
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消臭作業スタート
※腐敗臭には様々な雑菌が含まれているため、特殊な機材を用いて薬剤を浴室全体に噴霧していきます。
この作業をおこなうことによって、臭いの元をミクロ単位で封じ込めることができます。
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臭気測定器を使い外気と比較して正常値になったことを確認
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終了
風呂場での孤独死を防ぐための対策
風呂場で孤独死が起きてしまうことは、残された家族だけではなく近隣住民にとっても大きな問題です。
風呂場での孤独死を防止するためにできる対策をいくつかご紹介しますので、是非参考にしてください。
下記の方法を単独で行うのではなく複数組み合わせて実施するのがおすすめです。
特に高齢者の場合は、家族や地域のサポートが重要となるので、最後までチェックしてくださいね。
浴室内に安全対策を!
■手すりやマットの設置
浴槽や洗い場に手すりを設置し、滑り止めマットを敷いて転倒を防止しましょう。
浴槽が深すぎる場合は、浴槽台やすのこを使用して適切な深さに調整しましょう。
■緊急通報ボタンの設置
防水仕様の緊急通報ボタンを浴室内に設置しましょう。
入浴中に体調が急変したり、事故が発生したらすぐ外部に助けを求めることができます。
入浴方法の見直し!
遺品整理・特殊清掃ならクリーンメイトにお任せください

本記事では、風呂場での孤独死について 特殊清掃の必要性や防止策を解説しますという部分に焦点を当てて解説しました。
【内容まとめ】
・高齢者が入浴中にヒートショックや持病悪化、転倒などで死亡するケースが多発
・清掃には体液や腐敗臭の除去が必要
感染リスクや精神的負担も高いため、専門の特殊清掃業者への依頼が必須
・特殊清掃は、消毒→汚染物撤去→洗浄→消臭→臭気確認という手順で行われる
・孤独死を防ぐためには、浴室内に安全策を施す、家族や地域との定期連絡・見守り、健康チェック・服薬管理が効果的
特殊清掃を行う際、まずは故人に対する供養の気持ちを大切にしていただき、家族や親族にとって一番いい方法を取ってもらいたいと思っております。
ですが、特殊清掃についてお悩みでしたら、特殊清掃のプロである私たち業者にまずはお気軽にご相談くださいませ。
現在悩まれている方にとって本記事の内容がお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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