片付けなければと思いつつも、なかなかやる気が起こらずそのままに。
気付けば家の中が散乱してものすごいことになっている、という方も多くいらっしゃいます。
特にご高齢の方に多く見られる現象の一つですが、実は『うつ』が関係しているかもしれません。
今回は、うつ病と遺品整理の関係や片付けられない理由について解説していきます。
もし、あなたの周りにうつ傾向の方がいらっしゃったら、本記事の内容を参考にしてできることからサポートしてあげて欲しいのです。
今お困りの方や、これから片付けや遺品整理を考えている方にも本記事をお読みいただき、一助となれれば幸いです。
目次
うつ病とは
うつ病とは、神経伝達物質の『セロトニン』や『ノルアドレナリン』が減少することによって発症するものです。
この2つの神経伝達物質は、精神を安定させる働きを持っているため、減少することによって何事にも無気力な状態になってしまいます。
うつ病の特徴としては、下記のようなものが挙げられます。
・憂うつな気分が一日中続き、急に悲しくなる
・全身倦怠感
・これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
・イライラしたりして、怒りっぽくなる
・集中力がなくなる、決断できない
・自分に価値がないように思える
・死について考えはじめ頭から離れない
また、他にもADHDや認知症など他の精神疾患を患っている場合、うつ病を併発してしまうケースも多いようです。
参考記事
厚生労働省:うつ病
うつ病になる人が増えている
日本の現代社会では、約15人のうち1人がうつ病を発症していると言われる国民病の一つで、誰にでも起こりうる病でもあります。
しかし、やる気が出ないからといって怠けているわけではなく、自分の気の持ちようですぐに解決できることではありません。
もし、ご両親や家族がうつ病の可能性があると感じたときは、早めに医療機関を受診するように勧めてあげてくださいね。
うつと遺品整理は関係している?
では、うつ病と遺品整理はどう関係しているのでしょうか?
その関係性についていくつか解説していきます。
うつ傾向の方から見た遺品整理
うつ傾向にある状態だと、すべての物事に対してやる気が起こらなくなってきます。
遺品整理という作業は、仕分けなどの細かい作業からどの遺品を保管・処分するのかなど、様々な物事を考えながら進めなければなりません。
ただでさえ大変な労力を伴う作業ですから、うつ傾向の方から見れば途方もなくストレスの掛かるものとなるでしょう。
やらなければいけないとは思いつつ、気持ちや体が思うように動かない状態なのがうつの特徴の一つです。
しかし、故人の遺品整理は緊急を要する状況でない限り、急いで行う必要はありません。
もし相続人である方がうつ状態にある場合は、ご家族内で話し合ったり協力するなどして、サポートをしてあげることも大切です。
遺品整理を進めるうちにうつ状態になる場合もある
故人が亡くなったことへの心理的影響によって、心の状態が不安定になる場合もあります。
そんな中、遺品整理を進めていく中で、知らず知らずのうちにうつ状態になる恐れも。
遺品のすべてには、故人の思いが宿り生き様が感じられるものばかりです。
整理を進めていく中で故人を思い出し、悲しくなることもあるでしょう。
時には、どうして生きているうちにもっとしてあげなかったのだろう、と自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
そんな時には一人で抱え込まずに、ご家族や周りの方にサポートを求めてください。
また、遺品整理を行う時は誰かと一緒に行ないましょう。
そうすることで個々の負担が軽減されていき、なるべくうつ状態になることを避けることにも繋がります。
故人がうつ病を患っていた場合
うつ病と関係するのはご遺族だけではありません。
故人が生前にうつ病を患っていた場合、遺品整理にも大きく関わってきます。
集中力が無くなる、体が思うように動かない、やる気が出ない、これらがうつ病の特徴の一つ。
その状態の方は室内が散らかった状態であることがほとんどです。
中にはゴミ屋敷と呼ばれるような状況になってしまっていることもあります。
この場合、どこに何が保管されているのかが把握しにくく、相当な時間と労力が掛かるでしょう。
もし自身やご家族での遺品整理が難しいと判断したときは、一度業者へ相談してみてくださいね。
片付けられない高齢者はうつ病の可能性が高い?
年齢を重ねていくにつれて、何をするにも億劫になることもしばしば。
中でもご高齢者の場合にはうつ病の可能性も考えられるでしょう。
ここでは、片付けられない高齢者のうつ病との関係について解説していきます。
高齢者うつと認知症
その他の年齢層にみられるうつとは異なり、高齢者うつにはいくつかの特徴があります。
高齢者うつの特徴としては、下記のようなものがみられます。
・加齢に伴う心身の機能低下
・社会的な役割の喪失感
・孤独に対する不安
心と体の結びつきが重要となるうつ病ですが、高齢者の場合には特にこの結びつきが強くなります。
糖尿病など他の疾患を持っていた場合にも、うつになるリスクが高くなることも。
また、認知症もうつとの関りが高いとされています。
うつ病の方が認知症になることもあれば、認知症からうつを発症することもあります。
ご高齢者の場合は特に、身体が低下していくにつれてうつまたは認知症になる確率が高まるでしょう。
もしご家族や自身の周りに高齢者の方がいれば、コミュニケーションを取ったりして社会から孤立しないように見守ってあげてください。
できれば、地域のコミュニティに参加して運動する機会を機会を設けるなど、きっかけになるものを作ってみるのもおすすめですよ。
部屋が片付けられない状態が続けばどうなるのか?
うつになり、自身で片付けることが困難になれば、当然ながら室内にはものが散乱します。
そのままの状態が続くとどうなるのでしょうか?
以下に、室内が散らかった状態が続くと起こるリスクについてまとめました。
・室内環境(住環境)の悪化
・害虫や害獣の発生
・火災の危険
・室内環境の悪化
室内が散乱した状態が続けば、だんだんその空間で生活がしづらくなります。
最初は自分が良く使うスペースから始まり、寝室・リビング・玄関など徐々に散乱したスペースが広がってきます。
部屋が散乱していればおのずと生活の質(QOL)が下がり、心に余裕がなくなってくるでしょう。
うつ病とストレスは大きく関係していますから、室内環境が悪化するにつれてうつ病を発症するリスクが高まる恐れもあります。
散乱した室内はいわゆるゴミ屋敷と呼ばれる状態ですが、一度この状態にまでなってしまうと、もはや自力で片付ける事は困難かもしれません。
・害虫や害獣の発生
片付けが億劫になると、ゴミを捨てに行くことも中々出来なくなるでしょう。
ゴミの中でも特に、生ごみが室内に蓄積されていくと非常に厄介です。
ゴキブリやネズミが発生することに加え、それらの糞尿によって健康被害が起こる可能性が高まります。
また、ゴミ屋敷状態になり害虫などが発生すると、近隣へと被害が及ぶかもしれません。
マンションの場合は共用部分・換気口・排水溝などから害虫・害獣が移動して他の部屋へと広がります。
一軒家の場合も同じく、玄関や床下からも外部へと広がるでしょう。
外部への影響が出る状況になれば、最悪の場合は損害賠償を請求されることにもなりかねません。
・火災の危険
様々なものが散乱しているということは、火災につながるリスクが高いということでもあります。
漏電や火の不始末で簡単に火が付きやすくなりますし、隣接した家屋で火災があった場合でも燃え移るスピードが速くなるでしょう。
また、室内がゴミ屋敷化しているのならば避難経路も確保しにくくなります。
その場合は命が助かる確率も低くなり、非常に危険な状態なのです。
もしご高齢の親御さんがうつ病を発症していたら
片付けられない状態が続くと、様々な危険が伴います。
もしご高齢の親御さんがうつかもしれないと思った時には、速やかに医療機関の受診を進めてあげましょう。
しかし、片付けたからといってうつが改善されるということではありませんが、今からでも対策することは十分に可能です。
ここでは、私たち遺品整理士がおすすめする対策法をご紹介していきます。
1.一緒に片付ける
片付ける事が億劫になっているときは、ご家族や周りの方と協力して少しづつでもいいので一緒に片付けてみましょう。
親御さんが高齢でうつ傾向がみられるならば積極的にコミュニケーションを取り、まずは居住スペースから片付けを始めてみてください。
ゴミが蓄積されている場合は優先的にゴミの撤去を行い、快適に過ごせるように環境を整えていきます。
一緒に行なうことでご本人にとって活力となるかもしれません。
長時間・長期間の作業となるかもしれませんが、会話をしながらでも少しづつ進めてみましょう。
2.生前整理を行う
居住スペースの片付けだけではなく、生きているうちに身の回りの整理を行う”生前整理”を始めてみましょう。
生前整理はいわゆる終活というもので、生前のうちから整理をすることでこれからのシニアライフを快適に過ごせるよう、環境を整えることを目的としています。
ご高齢の方は特に、大事なものが多くて物の取捨選択がしづらい場合が多いでしょう。
思い出として残しておきたい物と、あまり必要でないものから順番に仕分けていき、断捨離のように身の回りをスッキリさせていくようなイメージで進めてみてください。
また、生前整理を行う事で死後に残された家族が整理や手続きを進めやすい、といったメリットもあります。
物の整理だけでなく、預金通帳や印鑑の保管場所などの重要な資料に関する在処を事前に確認しておくことがおすすめです。
ご本人の許可を得たうえで確認等をおこない、一緒に作業を進めていきましょう。
もし、ご本人・ご家族では整理が難しいと判断した場合には、業者の利用も検討してみてくださいね。
3.業者へ相談してみる
ご高齢の親御さんと一緒に整理を進めていこうにも、何から始めてどこまで行えばいいのか分からないという方もいらっしゃると思います。
そんな時は一度業者へと相談してみてください。
遺品整理・生前整理を専門に行っている業者は知識や経験が豊富です。
ご家族やご本人でも行える作業や、一般の方では難しい作業があれば丁寧に教えてもらえるでしょう。
何より、優良な業者はうつ病の方に対しての理解が深いため、寄り添いながら親身になって作業をおこなってくれます。
生前整理作業はご本人やご家族と一緒に作業をおこなう事が可能ですので、短期で整理作業を終えたい方は業者の利用も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:片付けがしづらい時は無理をせず、業者に頼むことも選択肢の一つ
片付けができない、しづらいのは怠けているのではなく、うつ病の可能性もあります。
なんで片付けができないのだろう、とご自身を責めることは避けましょう。
どうしても片付けがしづらい場合は、業者へ依頼することも手段の一つです。
物が散乱した状態で過ごすとストレスが掛かり、さらに心身へのダメージになる危険も。
そんなときは無理をせず、業者へと相談してくださいね。
また、自分で問い合わせ・連絡することが難しい場合は、ご家族や友人に協力してもらい代わりに連絡を取ってもらいましょう。
クリーンメイトでは遺品整理・生前整理など様々作業をおこなっておりますので、もしお困りごとがあればお気軽にご連絡ください。
クリーンメイトは2,000件以上の実績を誇りながらも、やり直し・クレーム等は現在まで一度もありません。
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